呼称: エトナDOC 赤ワイン
品種: ネレッロ・マスカレーゼ85%、ネレッロ・カップッチョ15%の古いプレフィロッセリコの(フィロッセーラ害を免れた)葡萄畑は現在、慎重な修復作業中です。葡萄畑には様々なエトナ土着品種が存在しており、その中には非常に希少な品種やまだ特定されていない品種もあります。しかしこれらの木々の葡萄はカルマロッサの醸造に使用されています。
生産地域: エトナ南東標高約800 メートルの斜面
葡萄畑の特徴: 黒い火山砂と火山灰で形成されるミネラルが豊かな土質。最大40 度を超える場所もある急斜面。エトナの葡萄栽培とワイン醸造の伝統に則ったアルベレッロ式仕立ての古い植樹から成る葡萄畑。1 ヘクタール当たり約7000-8000 本。
生産量: 収穫は1 株当たり約800 グラム
気候: 夏期は乾燥していて風があり、猛暑になることがあります。冬と春は気温差が激しく、年間を通して昼と夜の温度差が激しく、6 月以降、この地域は強烈な日照りが続きますが、水と鉱物を求めて火山砂深くに根を伸ばす葡萄の老樹の根の組織によって日射が阻止されます。
収穫: 伝統に従い完全な手作業で、10 月の最初の週に行われます。葡萄は許容量18kg の箱に収穫され、収穫直後にワイン醸造所に運ばれます。
ワイン醸造について: 非常にデリケートでダメージの全くない醸造工程によって房の特徴や収穫年独自の風味が変質せずに維持されます。こうして、エトナの葡萄栽培とワイン醸造の伝統が伝授する本物のワインが生産されるのです。収穫が終わると箱の中身は葡萄房の茎除去-圧搾機にあけられ、この過程で得られる葡萄の房の茎は肥料として使用されることになります。果皮としぼり汁から成る圧搾されたものは、ステンレス製ワイン醸造機に入れられ、醸造機が満タンになると、土着の酵母菌が注入されます。温度は26 度に上げられ、マセレーションの間中、この温度が維持されます。発酵は毎日モニタリングされ、同じ頻度で容器のタンク下部から葡萄汁をポンプで抜き取り、上に送って再び樽に注入する作業が行われ、これによって表面に浮かぶ葡萄滓が湿らされます。約1 週間のマセレーションと発酵の後、ワインはタンクから空けられ、葡萄滓とワインが分離されます。ワインは別のタンクに移され、葡萄滓は圧搾するために手動ポンプで圧縮機に移され、その後、蒸留酒製造場に送られます。数日後、赤ワインは澱を除かれ、別のタンクに移され、マロラクティック発酵(リンゴ乳酸菌による発酵)が18 度に制御された気温下で進められます。この過程でリンゴ酸が(リンゴ乳酸菌の作用により)乳酸と無水炭酸に変化し、ワイン全体の酸性度が下がり、口当たりがよりまろやかになります。マロラクティック発酵終了後、ワインはもう一度澱を除かれ、フランスオーク材のバリックに移され、最低9 ヶ月熟成されます。木樽での熟成の後、ワインは鋼の容器で濾過され、安定化された後で瓶詰めされます。瓶詰後、ワインが愛好者の手に渡る前に少なくとも6 か月間の瓶熟成が行われます。
五感で感じられる特性: カルマロッサの視覚的特徴は優美な紫色に反射するルビー色。嗅覚的にはエレガントで幅のある香り味覚的には野生のスミレとバラのツンとした香りにサクランボやラズベリー等のフルーツの調べが混ざり合い、シナモンと低木のニュアンスと、グラファイト、ココア、カンゾウの仄かな風味が残ります。エトナの研ぎ澄まされた仄かな香りが複雑な味わいのブーケの中でひと際際立ちます。口当たりのよく、コクがあり、火山性グリセリンによって辛口で温かく、柔らかな味わいになっています。溌剌とした清涼感がエレガントなタンニンとバランスよく溶け合うアルコールの強い味を和らげています。バランスが良く、包み込むような豊かな後味が持続します。グラスの中でエトナが爆発します。
アルコール度: 収穫年によって13.5-14.5%
適した料理: カルマロッサは赤肉がベースの全ての料理と熟成チーズに最適です。奇抜な組み合わせですがカキ、刺身、魚のフライ、カタラーナ風タラバガニと合わせても面白いです。イワシとトマトのパスタ、タコのオーブン焼きのスイートピー添えにも最適です。推奨試飲温度は16-18 度です。生魚と合わせる場合には12-14 度で召し上がることをお勧めします。
生産量: 0.75 リットル瓶で非常に限定された少量生産。収穫年2015 年のボトルには全てシリアルナンバーが入っています。
熟成期限: 収穫年に応じて20 年前後.
最初の収穫年: クラフトマンシップの小規模ワイン製造は1980 年から。