グレカニコ・ドラート種の葡萄分類学的研究
知識と共に無知であることの自覚が芽生える(「知れば知るほど、知らないことを知る」)実際、幾つかの葡萄分類学研究(カロ他、2000年)によって グレカニコ・ドラートと、ヴェネト州の主要な品種で、有名なソアーヴェの原料であるガルガネガの深い類似性が明らかになり始めました。ガルガネガが13世紀から既にヴェネト州に存在したことは、農学者ピエトロ·デ・クレシェンツィの著書で立証されています。この2つの品種の際立った類似性は、地理的位置の違い、イタリア中部には存在せず、互いに離れた地であることを考慮しても、非常に興味深く、品種の起源、伝播、発展について様々な理論が生まれました。
主要品種から選別されたクローンの遺伝子分析が広く行われるようになり、アーディジェのサン・ミケーレ農学研究所で行われた研究を含む幾つかの研究によって、グレカニコ・ドラートとガルガネガの遺伝子的同一性が証明され始めました。2003年、ある専門家チームが主要なヴェネト品種について詳しい遺伝子研究を行い、分析されたガルガネガ種の3つのクローンの内1つ(分枝系ISV-CV84)は分析されたグレカニコ・ドラートと完全に一致し、他の2つは僅かに異なっているという結論を出しました。
グレカニコ・ドラートの遺伝子類似
遺伝子類似はその後の研究でも証明され、これらの研究は、カタラット、グレコデルポッリノ、トレッビアーノトスカーノ、アルバーナ、エンピボッテ、マルバジア・ビアンカ・ディ・カンディアなどの、イタリア国内に散在する様々な品種同士の非常に興味深い幾つかの近縁関係も指摘しました。もう一つの魅力的な発見は、グレカニコ・ドラート種の遺伝子プロファイルは、スペインのカタルーニャ地方にかつて散在したものの、今では栽培されなくなり、もはやほぼ絶滅した品種、マルヴァシア・デ・マンレサ種の遺伝子プロファイルと同一ということです。つまり、グレカニコ・ドラートは研究者達にとって古い起源を持つ、地理的伝播が謎に包まれた、現在のところ説明不可能な品種なのです。
グレカニコ・ドラートが如何にして何世紀も前にシチリアのエトナ山腹に辿り着いたのか、ギリシャ人との関係の有無は、ギリシャ人は本当にシチリアにおける葡萄品種の伝播に一役買っていたのか、グレカニコ・ドラートが、ヴェネト州ではガルガネガの名で、カタロニアでは、マルヴァシア・デ・マンレサの名で大昔から存在しているのに、何故イタリア中部で見つかったことがないのか、新な遺伝子研究によって、これらの謎が解明される日がいつかやって来るかもしれません。私たちはこの品種についてより重要な研究を行っている研究所と連絡を取り始めました。私達の葡萄畑をグレカニコ・ドラートに関わる研究と探求のために提供する一方で、このテーマに関してまだ答えの見つかっていない疑問を明らかにする研究結果があれば、私達のウェヴサイトに掲載していくつもりです。また読者の皆様で、このテーマに関する重要な情報、または研究をお持ちの方は是非、私達にご連絡下さい。
グレカニコ ・ ドラート種の葡萄の木には植物的観点において明確な特徴があります 。この葡萄の木は樹勢が控えめで、発芽は4月後半と 遅く、開花は 6月後半、成熟は10月後半です 。私達の葡萄畑は標高が高いため、成熟が11月にずれ込むこともあります。